ドイツ大学進学
知っておくべき基礎知識

ドイツの大学進学は、世界トップクラスのアカデミックな質、国際的なネットワーク、そして卓越したキャリアのチャンスを提供します。

その多くが「授業料無料」で提供されていることも大きな魅力です。

このページでは、ドイツ留学を志す日本人の皆さまが知っておくべき、ドイツの大学制度の基礎知識をまとめました。

 

日本の高校卒業資格や大学学位に基づいた具体的な出願資格については、

学士課程(Bachelor)の入学要件および修士課程(Master)の入学要件

の詳細ページを併せてご確認ください。

国際的に見たドイツの大学評価

ドイツは世界でも有数の高等教育拠点です。QS世界大学ランキングTimes Higher Education (THE) といった主要なランキングにおいて、ドイツの大学は常にトップ100に名を連ねています。

特に工学、自然科学、医学の分野で非常に高い評価を得ており、ミュンヘン工科大学 (TUM)ミュンヘン大学 (LMU)ハイデルベルク大学などが常に上位に位置しています。ドイツの大学の強みは、研究密度の高さと、産業界との密接な協力関係にあります。

大学 QS THE
ミュンヘン工科大学 (TUM)
22位
27位
ミュンヘン大学(LMU)
58位
34位
ハイデルベルク大学
80位
49位
ベルリン自由大学
88位
113位
ベルリン・フンボルト大学
130位
89位
ランキング ドイツ 日本
THE世界大学ランキング
18校
4校
QS世界大学ランキング
13校
10校

ドイツと日本の大学比較
(世界トップ200ランクイン数)

ドイツの大学教育の最大の特徴は、一部のエリート校だけでなく、国全体として教育水準が非常に高く平均化されている点にあります。日本と比較しても、世界トップ200にランクインする大学の数はドイツの方が圧倒的に多く、どの都市の大学を選んでも質の高い教育が保証されていることがわかります。

ランキング ドイツ 日本
THE世界大学ランキング
18校
4校
QS世界大学ランキング
13校
10校

ドイツの高等教育機関の種類

ドイツには単一の「大学」という形態だけでなく、目的に応じて主に以下の種類に分けられます。

総合大学 (Universität / Uni)

伝統的な理論・学術的背景に重点を置いた教育機関です。人文科学、社会科学、医学、法学など多岐にわたる学部を有し、研究者を目指す方や深い専門理論を学びたい方に適しています。ドイツにおいて博士号(PhD)の授与権を独占的に持つのは、主にこの総合大学です。

Gemini Generated Image 96o3vx96o3vx96o3
Gemini Generated Image 417sh8417sh8417s

工科大学 (Technische Universität / TU)

総合大学の一種ですが、工学(エンジニアリング)や自然科学に特化した学術研究機関です。ドイツの製造業を支えるトップエリートを輩出しており、特に「TU9」と呼ばれる有力9大学は世界的なブランド力を誇ります。最先端のテクノロジーと理論の両面を極めたい方に最適です。

応用科学大学 (Fachhochschule / FH)

「理論よりも実践」に重きを置いた教育が特徴です。教授陣の多くは企業での豊富な実務経験を持っており、カリキュラムには長期の企業インターンシップが組み込まれていることが一般的です。卒業後すぐに即戦力として業界で活躍したい学生に非常に人気があり、就職率の高さも特徴の一つです。

Gemini Generated Image Tzwt9ltzwt9ltzwt
Gemini Generated Image Y6kdqny6kdqny6kd

芸術・音楽大学 (Musik- und Kunsthochschulen)

音楽、美術、デザイン、演劇などの芸術分野に特化した専門大学です。ドイツはクラシック音楽やバウハウスに代表されるデザイン教育の聖地であり、世界中から才能が集まります。一般大学とは異なり、入学には実技試験や作品集(ポートフォリオ)の提出が必須となります。

高品質な教育が「学費無料」である理由と例外

ドイツの公立大学の多くは、現在も授業料(学費)が無料です。

これは「教育は個人の経済力に関係なく、すべての人に平等に与えられるべき権利である」というドイツの強い社会的信念に基づいています。

 

なぜ無料なのか?

ドイツの大学教育は、ほぼ例外なく税金によって賄われています。 つまり、社会全体で高等教育のコストを負担しているのです。 ドイツ政府がこれほど多額の投資を留学生にも向けるのには理由があります。それは、ドイツの大学で学んだ優秀な外国人に、卒業後もドイツに残って活躍してほしいと考えているからです。

そのため、ドイツは他の国と比較して、学生ビザから就労ビザへの切り替えが非常にスムーズなのが特徴です。

 

  • 卒業後の猶予期間: 卒業後、最長18ヶ月間、仕事探しのために滞在を延長できる「求職用滞在許可」が与えられます。

  • キャリアへの期待: 専門的な資格や、在学中に磨いたドイツ語・英語のスキルを活かして、ドイツ社会の一員となることが期待されています。

 

学費無料の例外

ほとんどの大学が無料ですが、以下のケースでは費用が発生します。

 

  • 私立大学: 専門性の高い私立校では、月額500€〜2,000€程度の学費がかかります。
    ※弊社のお客様の90%以上は、質の高い公立大学を選ばれています。

  • バーデン=ヴュルテンベルク州: この州の公立大学のみ、EU外からの留学生に対して1学期1,500€の学費を課しています。それでも他国に比べれば格段に安く、競争率が若干下がる傾向にあるため、あえてここを狙うのも戦略の一つです。

  • 一部の修士課程(Master): MBAや、一部の経済系などの英語プログラムでは、例外的に学費がかかる場合があります。

 

英語での授業は有料?

「英語のコースは高い」という誤解がありますが、授業言語によって学費が決まるわけではありません。

英語で提供されるプログラムの多くも、公立大学であれば学費無料です。

 

学期共済費 (Semesterbeitrag) について

授業料は無料ですが、すべての学生は毎学期「学期共済費」を支払う必要があります。

金額は大学により異なりますが、1学期(半年)で約100€〜450€程度です。

これは「少額の学費」ではなく、学生としての権利を享受するための投資と言えます。

 

学期共済費に含まれる3つのメリット

  • 公共交通機関の乗り放題(Semesterticket) 支払額の大部分を占めますが、これにより州内の電車やバスが乗り放題になります。個人で定期券を購入するよりも圧倒的に安く、移動コストを劇的に抑えられます。
  • 学生支援機構(Studierendenwerk)の運営 安くて美味しい学生食堂(Mensa)や、手頃な学生寮、カウンセリングサービスを維持するために使われます。例えば、数ユーロで栄養満点の定食を食べられるのは、この制度のおかげです。

  • 学生自治(AStA)のサポート 学生が主体となるイベントの開催や、自転車修理サービス、法的な相談窓口など、学生生活を豊かにするための活動資金となります。

学位の種類と言語

ドイツの大学制度は「ボローニャ・プロセス」を導入しており、学士(Bachelor)および修士(Master)の学位は国際的な互換性が完全に確保されています。現在、ドイツ全土で提供されているコース数は22,000以上にのぼります。

コース数の内訳(概数)

  • 学士課程 (Bachelor): 約 10,200 コース

  • 修士課程 (Master): 約 10,500 コース

 

英語で学べるコースの割合

「ドイツ語ができないと進学できない」という時代は終わりましたが、学位レベルによって英語コースの選択肢には大きな差があります。最新のデータに基づくと、英語のみで卒業可能なコース数は以下の通りです。

学士課程
約400コース
0%
英語課程

学士課程 (Bachelor):
約 400 コース(全体の約 4%) 学士レベルでは選択肢が非常に限られており、英語で開講されているのは主に経済学(ビジネス)、工学、自然科学の分野に集中しています。

注意点: 人文学や社会科学の英語コースは極めて少なく、芸術・音楽系に関しては、ほぼ全てのコースがドイツ語での開講となります。

修士課程
約1900コース
0%
英語課程

修士課程 (Master):
約 1,900 コース(全体の約 18%) 修士レベルになると選択肢は劇的に広がります。

特に理系(STEM分野)や経済学では、英語のみで完結するプログラムが豊富に提供されています。

ワンポイント・アドバイス
「英語だけで学びたい」という場合、学士課程では選べる専攻がビジネス、工学、理系科目に限定される傾向にあります。 もし日本で文系学部(文学、歴史、心理学など)を専攻し、ドイツでも同様の分野を深めたい場合、あるいは芸術・音楽系を志望される場合は、早い段階からドイツ語の習得を計画に組み込むことが、大学選びの選択肢を広げ、留学を成功させるための鍵となります。
ドイツ専門カウンセラー
西尾 ファビアン
ドイツ留学専門カウンセラー

日本の学歴による出願資格

日本人志願者にとって最も重要なのは、「自分の日本の学歴でドイツの大学に出願できるか」という点です。

日本とドイツの教育システムは異なるため、詳細なガイドを用意しています。

 

  • 高校卒業・大学受験生の方高校の成績や共通テストの結果に応じた出願資格、および「シュトゥーディエンコレーク(大学予備課程)」についてはこちら
    ドイツの学士課程(Bachelor)
  • 大学卒業・社会人の方日本の大学の学位をドイツの修士課程で活かすための条件についてはこちら
    ドイツの修士課程(Master)

専門性の追求
学問とキャリアの直結

英語圏や多くの日本を含むアジア諸国と異なり、ドイツでは連続性という概念が非常に重視されます。

これは単なるルールの違いではなく、ドイツ社会の根幹にある考え方です。

 

学士からキャリアまで続く一本の道


この「連続性」は、大学卒業後の就職においても同様です。

ドイツでは「学問と職種」が密接に結びついています。

  • 具体例 「哲学」を専攻した学生が銀行に就職することはほぼ不可能です。
    銀行で働くには、経済学や金融などの関連分野を修めていることが大前提となります。

 

修士課程(Master)における連続性

 

ドイツの修士課程は、原則として学士課程で学んだ専門分野の「延長線上」にあることが求められます。

全く異なる分野の修士号を取得することは非常に難しく、学部時代の専攻がその後の選択肢を決定します。

 

スペシャリストとしての評価と、

将来への備え

 

このシステムがあるからこそ、ドイツの大学卒業生は「その分野の即戦力となるスペシャリスト」として世界中で高く評価されます。「なんとなく大学を卒業する」のではなく、将来どのような専門家として社会に貢献したいかを、学士課程を選ぶ段階から真剣に考える必要があります。

 

はばたきのサポート
進学とキャリアは「セット」で考える

 

ドイツにおいて、大学選びと将来のキャリアは切り離せない関係にあります。

そのため、はばたきグローバルエデュケーションの「大学・大学院進学サポート」には、

単なる出願手続きだけでなく、キャリアカウンセリングも含まれています。

 

・「どの学問が自分の目指す職業に繋がるのか」

・「卒業後のドイツでのキャリア形成はどう描くべきか」

 

を共に深掘りすることで、入学後のミスマッチを防ぎ、将来の可能性を最大限に引き出すお手伝いをいたします。

サポートプランの詳細

FAQ

よくある質問

A. はい、原則として公立大学の学費は無料です。

ただし、毎学期「セメスターフィー(学期会費)」として100〜450ユーロ程度(公共交通機関のチケット代等を含む)の支払いが必要です。

例外として、私立大学やバーデン・ヴュルテンベルク州の公立大学では授業料が発生します。

A. 修士課程(Master)であれば、約1,900の英語プログラムがあり、英語のみでの卒業が十分に可能です。一方で、学士課程(Bachelor)の英語コースは全体の約4%と少なく、専攻もビジネスや理系に限定される傾向があります。芸術・音楽系や人文学を志望される場合は、ドイツ語が必須となるケースがほとんどです。

A. 

日本の高校卒業資格のみ(短期大学を除く)では、原則として大学予備課程(シュトゥーディエンコレーク)への入学はできません。 そのため、以下のいずれかのルートを目指すのが一般的です。

  • ルートA(共通テスト): 共通テストで5科目以上受験し、合計70%(420点)以上の成績を収める(関連科目での得点指定あり)。

  • ルートB(日本の大学1年修了): 日本の4年制大学で1年以上在籍し、35単位以上を取得する(同一系統の専攻に限る)。
    ※詳細は「出願資格診断ガイド」で詳しく解説しています。

A. ドイツでの生活費(家賃・食費・保険等)は、都市によりますが、月額約992€(約18万円〜)が目安です。授業料が無料である分、自己負担はこの生活費に限定されます。ビザ取得の際には、滞在費を証明するための閉鎖口座(Blocked Account)の開設が必須となります

A.  ドイツには一斉入試や「偏差値」はありません。選考で最も重視されるのは、過去の成績(GPA)と専攻の一致(連続性)です。人気の学部には人数制限(NC)があり、非常に高い成績が求められることもあります。

無料相談・お問い合わせ
ドイツ大学進学への第一歩

ドイツの大学システムは非常に魅力的である一方、出願資格の判定や専攻選び、

そして将来のキャリアとの兼ね合いなど、個人で判断するには非常に複雑な側面も持ち合わせています。

「自分の成績で希望の大学に行けるのか?」「今の専攻からドイツの修士課程を目指せるのか?」といった疑問を、専門家と一緒に解消しませんか?

一人ひとりの背景に合わせた最適なプランを、誠実にご提案いたします。

あなたの挑戦を、全力でサポートさせていただきます。